院長ブログ blog

新年おめでとうございます。

2026.01.01

新年おめでとうございます。
地域の皆さまにおかれましては、健やかに新年をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。昨年も、ふるた内科クリニックの診療にご理解とご信頼を賜り、誠にありがとうございました。職員一同心より御礼申し上げます。

本年も引き続き、かかりつけ医として患者様・ご家族様が安心して頼れるクリニックを目指し、腫瘍性病変も生活習慣病も早期に診断して、適切な介入をすることで、地域の皆様の健康を守れるようにスタッフ全員で努力してまいります。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2025年の診療実績 主に消化器系検査の成績を中心に

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ検査)は1263件行いました。ピロリ菌(Hp)の感染状況は全例で評価しており、現感染が71例、既感染が600例、未感染590で、2例は胃全摘後のため判定不能でした。

腫瘍性の病変:

食道:  食道扁平上皮内腫瘍(SIN):34例、

早期食道扁平上皮癌:1例

胃:     腺腫:8例(うち2例はHP現感染、4例は既感染、2例は未感染)

胃がん:15例

                         早期胃癌:7例(Hp現感染:1例、既感染:5例、未感染:0例)

                         進行胃癌:8例(Hp現感染:4例、既感染:3例、未感染:1例)

              粘膜下腫瘍:29例

胃MALTリンパ腫:1例(Hp既感染)

十二指腸:

腺腫:4例(Hp既感染2例、未感染2例)

カルチノイド1例 (HP未感染)

濾胞性リンパ腫1例 (Hp既感染)

 食道・胃・十二指腸の病変を合計すると、95病変であり、胃カメラ検査を受けた方の約7.5%の方で何らかの腫瘍性病変が発見されたこととなります。SINと粘膜下腫瘍を除いても2.5%で腫瘍性病変がみつかったこととなります。

 食道癌は一昨年は5例発見しましたが、昨年は1例でした。超早期での発見であり、磐田病院の消化器内科で内視鏡的にきれいに切除していただきました。

SINは磐田病院消化器内科の先生との相談の上、半年後に再検し再現性がある場合には治療を行うこととしておりましたが、内視鏡所見に大きな変化がない場合には、引き続き経過観察することとしております。

 悪性疾患ではありませんが、食道のCOWDEN症候群を内視鏡的に診断し、病理で確認できました。他にも食道では、逆流性食道炎、好酸球性食道炎、薬剤性の剥離性食道炎もみとめました。

胃の腫瘍性病変ですが、胃がんは15例と多かったです。そのほかにも胃腺腫は5例、胃MALTリンパ腫1例を発見しております。十二指腸では腺腫4例、カルチノイド1例、濾胞性リンパ腫1例でした。早期癌や腺腫は浜松医大、磐田市立総合病院、聖隷浜松病院の消化器内科で内視鏡的に治療してもらいました。

 2025年の胃がん発見数が15例と前年よりも増加したことはある意味で驚きでした。胃がんの原因であるピロリ菌の感染率は年々低下しており、胃がん発見は2024年よりは減少すると予想していましたが、現状は増加でした。超早期の胃がんも発見できましたが、残念なことに15例中8例は進行がんでありました。その方たちの殆どが検診は未受診でした。磐田市では40歳以上で胃のレントゲン検査や血液検査で胃がんリスクを評価する胃がんリスク層別化検査(ABC分類)(以下ABC検診)を行っておりますので、せっかくの機会ですので、是非とも受けていただきたいです。私としては内視鏡検診を進めたいのですが、磐田市ではその制度もないため、どちらかを受けていただきたいと思っております。その場合、胃のバリウム検査とABC検診の違いをよく理解する必要があると思います。ABC検診は悪性腫瘍を見つける検査ではありませんので、A群と言われた場合も一度は内視鏡検査を受けることを強くお勧めします。バリウムの検査では微細な病変の検出は難しいと思います。バリウムは検査後のバリウムの排出も大変です。バリウムを飲みたくない方には、当院を受診していただければ内視鏡検査を施行させていただきます。特に、超早期の病変は内視鏡検査でないと見つけにくいと思っておりますので多くの方に今年も内視鏡検査を薦めていきたいと考えております。

 ピロリ菌の陽性例は71例でした。当院ではスマートジーンという遺伝子検査機器を導入しており、ピロリ菌の存在診断のみならず、クラリスロマイシンという1次除菌薬に含まれる抗菌薬にピロリ菌が耐性であるかどうかまで検査できるため、1次除菌から個別化された除菌が可能となっております。ほぼ全例で除菌成功に至っております。

非腫瘍性病変では胃十二指腸潰瘍、自己免疫性胃炎、好酸球性胃炎等々を複数例で認め、さらに膠原線維性胃炎も新たに1例内視鏡的に診断し、病理的に確認できました。

 下部消化管内視鏡検査(大腸内視鏡検査)は778件で行いました。

腺腫・癌発見総数:390例(ADR:50.1%)

内、大腸がん:12例(腺腫内癌 5例、進行癌7例)

それ以外に主な疾患として。

虚血性腸炎:36例

潰瘍性大腸炎:34例

粘膜下腫瘍:8例

その他

大腸内視鏡検査を受けた約半数の方で上皮性の腫瘍性病変が発見されたこととなります。発見された病変は、当院で切除可能な病変は可及的に切除しました。20個以上の腺腫性ポリープを切除された方もおりました。クリニックで行える粘膜切除術(EMR)では一括切除が困難な大きい病変は患者さんの希望に応じて磐田市立総合病院や浜松医科大学、聖隷浜松病院、聖隷三方原病院へご紹介させていただきました。当院で内視鏡的に切除しえた病変の中で腺腫内がんは5例で認めました。手術の必要な進行がんは7例であり、殆どが磐田市立総合病院の外科で治療していただけました。昨年は早期癌と進行癌を合わせて大腸がんは12例発見したこととなり、大腸内視鏡検査65件あたりで大腸がんが1例見つかったこととなります。開院して4年目にはいったということで、以前腺腫性のポリープがあり再検になった方も多くなり、進行病変の発見が減ったとおもいますが、それでも進行がんの方が存在しており、そのほとんどの方が検診未受診者であり、是非とも、検診を受けていただきたいと思います。

30歳代での進行大腸がんの方もいらっしゃいました。ですので、あまり年齢を気にせずに、胃カメラ同様、なるべく多くの方に大腸内視鏡検査を受けていただき、悪性疾患の早期発見、腺腫性ポリープの切除による癌の芽の刈り取りに努めていきたいと考えております。そのためには、世間一般に広がっている大腸内視鏡検査は痛くて大変であるという悪評を払拭すべく、今後も苦痛のない検査に努めていきたいと思っております。当院の大腸内視鏡検査は枠にまだまだ余裕がありますので、さらに多くの方の検査を行っていきたいと考えております。

非腫瘍性病変としては昨年も虚血性腸炎が依然として多かったです。また、潰瘍性大腸炎(UC)の新規発見の方あり、引き続き炎症性腸疾患の増加を実感した次第です。直腸炎の方が多いですが、全大腸炎型の方も数名おりました。重症例ではJAK阻害薬も使用しております。浜松医科大学在籍中にその薬物の治験に関わって効能、副作用も熟知しているものを主に使用しております。

腹部ECHO検査は、3月に機器の更新を行いました。画質もよくなり、また、脂肪沈着も定量的に評価できるためより高い精度での検査が可能となりました。

消化器疾患とは異なりますが、動脈硬化の測定機器も導入したため、生活習慣病の管理もさらにレベルをあげてしっかり行ってまいります。

当院では今後も、
苦痛の少ない内視鏡検査によるがんを含む消化管疾患の早期発見・早期治療」

「当日結果のわかる検査結果での生活習慣病の管理」
を柱に、専門性の高い、安心して受けていただける医療の提供に努めてまいります。

今年も生活習慣病にて通院されている方にも胃の検診されてますか、とか、大腸大丈夫ですか、とか、胆嚢とか膵臓とか大丈夫ですかとお伺いすることがあると思います。お申し出がないとしても、通院されている方に何かあってはつらいので、本年も検査をお勧めしていくつもりです。当院ではせっかく検査できるので、是非とも活用してほしいと思っております。

本年も、地域の皆さまの健康を支える身近なクリニックとして、スタッフ一同、誠実に診療に取り組んでまいります。
どうぞ本年も、ふるた内科クリニックをよろしくお願い申し上げます。

令和8年 元旦
ふるた内科クリニック
院長 古田 隆久